子どもが問題にぶつかったとき②

①の続きです。

子どもが問題を抱えてかえってきた → 何があったか話してもらう → その時に感じたことを言葉にしてもらう、の次のステップです。

なにを感じたかを尋ねて、子どもが、例えば、「くやしかった」と言ったら、

それをその言葉のまま繰り返します。

「そうか、くやしかったんだね」とか「そうだよね、それはくやしかったよね」

みたいに、その感情を同じ言葉を使って共感してあげます。

そうか、くやしかったんだね、それはくやしいよね、わかるよ、それはくやしいよ〜、みたいに、1回だけでなく、2回、3回この共感の言葉を繰り返してあげると、思う存分、子どもはその感情を感じることができます。

ここでまだ出し切れない感情があるときは、同じ話を再度子どもがリピートすることもありますし、そこから派生した違うエピソードを話し始めて(例えばそのとき先生がいて、こう言われたとか)違う展開の話になることもあります。

そしたら、また最初の「そうなんだ」という中立的な相槌から始めて、感情を聞き出して、感情を共感するを繰り返します。

この一連の作業で、子どもが自分の感情を感じ尽くすと落ち着きます。

出すもの全部だして、いったんすっきりの状態になります。

子どもをみて、少し落ち着いたな、と感じたら、次はこうします。

①お子さんがその出来事に対してその場でリアクションを取れていなかったとき:

「XX(子どもの名前)は、本当はその時、どうしたかったの?」と問いかけます。

 

②その出来事に似た問題は今後も続きそうで、なにか対策が必要であるとき:

「それで、XX(子どもの名前)は、今度からどうしたらいいと思う?」

と問いかけます。

子どもは答えをすぐに言えないかもしれませんが、そこはゆっくり待ってあげてください。

ここで、多くの親は(私もずっとそうでした)すぐに

そんなの気にしなくていいよ、とか、

先生にいってみる?、とか、自分の考える解決法を口にしてしまうのですが、

それは親の過ごして来た人生から学んだあなたの解決法であって、子どもにもそれが合うとは限らないのです。

それぞれの子にそれぞれの感情や感じ方があるように、解決法もその子の性質や考え方に合ったものがあるのでそれを自分で知ることが大事なのです。

その子に必要な解決法というのは、その子の内側から湧き出てきたものが最適で、それは本人の内側では実は既にわかっています。

そして①と②の問いかけで出て来た解決法は、すぐに実行されなくても、また実行できなかったとしても大丈夫です。

重要なのは、子どもが、こういう状況でこう言えればよかったんだ、自分は本当はこう言いたいんだ、こういう問題のときはこうできたらいいな、という「具体的な文章や行動を自分の意識の中で持つ」ことなのです。

意識の中で答えを持っていれば、勇気がなくてそれがすぐに実行できなくても、ある日言えるようになるかもしれないし、

意識の中で解決法を持ってるということは、それが外側のエネルギーにも影響しますから、そういう問題を引きつけにくくなるのです。

親はなんとかしなきゃ、と具体的に考えるかもしれませんが、子どもはマイリズム&マイタイミングで、しかるべきときに解決していけますので、感情をちゃんと出し切って、解決法を自分の内側から引きだせたら、あとはただ子どもの力を信じて見守ってあげれば大丈夫です。

例外として、その子独自の問題でなくて、周りの人や環境と絡んだ問題が起きてることがあります。

そういう問題のときは、子ども独自で超える問題でないorしかるべきタイミングでないので、解決法がでてこなかったりします。

子どもが考えても解決法がわからないとき、または、子どもから逆に「どうしたらいいと思う?」と尋ねられたら、

そこで初めて親のあなたの持つ解決法を提案してください。

そういうときは、すっと、その解決法が子どもにも腑に落ちたりするものです。

では親も子どもも解決法が全く浮かばないような問題のときは?!

そういう問題のときもあります。

そういう問題は自分たちで考えないで大きな力に任せなさい、という類(たぐ)いのものですから、

じゃ、わかんないから、神様にまかせてみようか とか

天にまかせて様子みようよ〜 みたいな言葉でもいいし、

これはそのうちなんとかなるんじゃないかな

と楽観的に、任せてしまうのが対策です(汗)。

実際、そういう問題は個人で抱え込まずに、天に任せてしまうと、ホントになんとかなるものです。

と、いうことで、子どもが問題にぶつかったとき、親が子どもにできることは、

子どもの感情を外にだしてあげて、

どう対応するかを子どもの内側から引き出してあげて、

その対応策を子どもの意識の中に落とす、

ためのガイド役をやるということになります。

そして解決できないことは、天にまかせよう、という方法もある、と教えてあげるのもガイド役のできることです。

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いつも天にまかせて?!楽しんでるニャンコ達。
春の気持ちの良さをお外で満喫しております。

 

 

 

 

 

 

 

子どもが問題にぶつかったとき①

今は4月で新年度の始まりなので(ちなみにフランスは9月が新学期)、子ども達は新しい環境に入ったばかりだと思います。

新しい環境に入ったから、とは限りませんが、子供たちが成長していく過程で、問題にぶつかったときに親に何ができるか、を書いてみたいと思います。

これは私がクライアントさん達の話を聞きながら、子ども時代に起きた問題が、なぜその後の人生においても未解決なままかを考えてきて辿り着いた「親ができるサポートの方法」です。

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子どもが外から帰ってきて、親であるあなたに、今日こんなことがあった〜、と泣き出したり、プリプリ怒り始めたり、どよーんと落ち込んでるとき、

とても大事なのは、

その時点で子どもが持ってる感情をうまく外に出すのを手伝ってあげる、ことです。

まずは、

「そうなんだ」とか「そうか〜」

みたいな中立的な相槌をうちながら、何が起こったかを全部話してもらいます。

話の組み立てが悪くてよくわかりにくくても、途中で口を挟まないで(汗)、まずはその子のペースで話してもらいます。

子どもが話し終わったら、(何が起きたかわかりにくかった場合は、ここで質問などして何が起きたかを把握してから)

「それで、XX(子どもの名前)は、その時、どう思ったの?」

「XXは、その時、どう感じたの?」

と、その子が内側で感じたものを言葉にしてもらいます。

ポイントは、その時に子どもの中で起こった感情や感覚を、表に出す=言葉に出して確認することです。

いったん起きたいわゆるネガティブな感情というのは出さないでいると、心身のエネルギーをブロックします。

えっ?!と思うでしょうが、幼少期に起きた何十年も前のネガティブな感情を、延々と大人になるまで閉じ込めてることはよくあるのです。

また、この作業は、感情を出すというためだけでなく、いつも自分が本当は何を感じてるかを知るための練習でもあります。

大人になっていく途中で、感情や感覚よりも、思考の方が優勢になっていく方は多いです。

自分が何を感じたかよりも、論理的な考え方で感情から離れる方向に向かっていくのです。

感情に向き合うと心が痛くなるから、論理的に考えて感情に触れない方が楽だからかもしれませんし、感情的になるのはみっともないといった日本的な感覚からかもしれません。

ちなみに「感情的になること」と、「自分の感情を感じる」ことは違うことなので、そこは勘違いのないように。

感情的になる、というのは、感情に従って話したり、感情に従って行動すること。

感情を感じる、というのは、自分の中にある感情をただ感じる、だけ。どんな感情が起きてるかを自分で把握することです。

長いのでに続きます。

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隣のお宅の屋根に昇ってしまったニャンコ達。奥がミヌ、手前がスコッチ。
降りてこれるよね〜(汗)