洗い過ぎについて考える

以前、小津作品だったか日本の古い映画をみていたら、登場人物の奥さんが食器を洗うシーンがあったのですが、洗い桶の中につけてたお茶碗を蛇口からの水だけでささっと軽く洗い流して終わりだったのを記憶しています。

当時は、いまほど動物性/植物性脂肪を食べていなかったんだろうな〜

世界でオイルをベースにつかわない料理というのは、日本料理だけだというのをどこかのシェフが言っていました。

多国籍の料理が広まったせいなのか嗜好が変わってきたのか、現代の日本では動物性脂肪やオイルを料理にたくさん使うようになってます。

食器についた油脂を洗い落とすには、

もともとは、水と台所洗剤/石けんが基本的に有効だったと思います。

その後生活が改善されて蛇口をひねればお湯がでてくる時代になってからは、油脂を溶かせるお湯を使うのが有効だと思います(プラスチックの汚れは洗剤もいりますが)。

ところが、現実には、台所洗剤も使ってる上にさらにお湯も使うから、洗い過ぎなのではないかと思います。(しかも現代は汚れを落とすのにすぐれたスポンジもあるし)

瀬戸物など陶器は洗いすぎても変質することはあまりないのだろうけれど、だから、つまり洗いすぎてるのは、私達の皮膚というかそれを覆ってる皮脂と言えるでしょう。

この石けん+お湯のダブル洗浄による洗い過ぎ/落とし過ぎは、食器洗いだけでなく、体や髪を洗うときも同様だと思います。

昔と比べて植物性/動物性油脂を多く取り込んでる私達の体の皮脂は、皮脂自体の量や質が違ってきてるのかもしれないし、皮脂だけでなく常在菌の在り方も一昔前とは違うのかもしれません。

しかし、あぶらはあぶら、食器と同じでお湯だけでも落とせるはずなのに、石けん・シャンプーとお湯のダブルで洗ってるものだから、皮脂を落とし過ぎて、さらには常在菌も毎回全部殺してるのだと思います(汗)。

昨今、そんなことに気がつき始めた人がとても多いようで、体や頭を洗うときに石けん類を全く使っていないという話をかなりの頻度で耳にします。

ある女性のクライアントさんは、ヘアカットの前にするシャンプーにシャンプー剤を使わないでお湯だけで洗ういわゆる「湯シャン」をしてくれる美容室に通ってるそうです。

プロによる「湯シャン」まで出現したというのは、そういうニーズがかなりはっきりと形になってきたということでしょう。

残念ながら、私の住む地域周辺ではお湯だけのシャンプーを提供してくれてるところは今のところ見当たらないですが、今後そういうサロンも増えていくといいなと思います。

別の部分の「洗い過ぎ」の話をすると、以前、産婦人科の女性ドクターに教えてもらったのですが、女性性器こそ、石けんを使って洗ったりしてはいけないそうです。

私は、なんとなく大事なアソコは排泄物の近くに存在するものだから、石けんは使った方がよいのだろうと思っていたけど、大間違いでした。

女性性器というのは全体が粘膜でしっとりと潤ってることで感染することを防ぐのに、そこを毎回石けんで洗えば常在菌も殺してしまうことになり、清潔どころが危険な状態になるとのことでした。

もちろん感染を防ぐだけじゃなく、粘液度が高いと精子を保持しやすくもなるので妊娠しやすい体にもなるし、性行為自体も快適になります。

ところが昨今は、性器周辺が非常に乾燥してる女性がとても多くて、それは石けんによる洗い過ぎが原因だという見解でした。

アソコを洗う話、普通の会話ではなかなかでてこないでしょうから(汗)、これを知っておくのは大事かもしれません。

最後に、洗い過ぎという話題で、歯磨きについても。

私が知ってる人に歯磨きを全くしない男性がいます。

その人は、義両親の長年の友人のフランス人男性で、去年、義母の葬儀のときにも会いましたが、歯磨きはしないんだそうです。

今は70歳を超えてると思いますが、見た目上品で知的な人です。

彼は石けんや歯磨き剤の反対派というわけではなく、ハブラシを口にいれるのが生理的にだめらしく、歯磨き行為自体がムリなんだとか。

私も歯磨き粉は使いませんが、「歯をみがく」行為すら、もしかして必要なかったんか〜と考えさせられます。

歯をみがかなくていいという意見をみると、自力洗浄剤である唾液を歯磨きすることでいっせいに流してなくしてしまうから、ということのようです。

そう考えると、皮脂や常在菌や唾液といった体を守るための存在を、お金をだしてわざわざ購入した石けんやらシャンプーや歯磨き剤で、せっせと体の外に流し出して無防備な状態にしてるなんて滑稽な行為に思えてきます(汗)。

ちなみに、去年、義母の葬儀でその男性に会ったときに、歯磨きをしたことがない彼の歯がどういう状態かチェックするのを忘れました…. 悲しい場だったため、口をあけて笑うこともないので歯はみれなかった、今度あったら写真とらしてもらおうか(苦笑)。

石けん

石けんは汚れを落とす優れものと思いますし、洗濯ではとてもお世話になっていますが、お湯をふんだんに使う生活の中で使い過ぎてはないか、という自問も含めた記事でした。

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