日々生活する中で、怒りを適宜うまく出すのは、難しいです。
うまく出すというのは、相手からなにかされてあなたが持ったその怒りをきっちり相手にお返しする(殺気ッ)というような”怒りのやり取り”のことではなく、自分の中に沸き起こった怒りを”健全に外に出して解消する”ことを指します。
怒りを返すことではなく、自分の中の怒りを単に内から外に出す、です。
別の言い方をすると、健全に怒る、ともいえます。
クライアントさんのお話を聞いていてもこの辺りに問題を持ってる方は多く、私自身にとってもこれはいつも課題でもあります。
怒りをあまり簡単に外に出してると、見苦しいとか大人気ないとか思われたり、人格が未熟なんてことも言われてしまいます。
そのせいか、怒りをみせないでやり過ごしたり(これも学びだよ〜、私も悪かったのよね、とか)、怒りを感じる相手をなんとか理解することで(あの人も大変なのよね、もっとつらいんだよね、とか)自分の怒り自体をなかったかのように扱う傾向があると思います。
怒りを感じる出来事を学びと解釈すること、怒りの原因となった相手を理解してあげること、これらは自分の成長へ必要なステップと思いますが、それと自分の中に持ってしまった怒りをなかったことにするのは、違うカテゴリーだと私は考えてます。
私が思うに、怒りというのは一旦持ってしまったら外に出さない限り、いつまでも心に残るものだと思います。どんなに昔のことであっても、解消されていない怒りはふとしたきっかけに瞬時に戻ってきたりします。それはつまり外に出し切れていないから、なんだと思うのです。
ということで、自分の中に怒りを溜めていかないように、健全に怒りを出す方法について私が有効だと思っていることを書いてみます。
前提として、その怒りの原因となってる相手がわかってる場合で、その怒りを相手に表現したほうがよいケースは、まずはそうします(私はそうされて怒ってます、私は不快に感じます、etc.)
でもそれができないとき(相手が亡くなっていたり、相手は子どもだとか、はたまた相手が会社の上司やお客さんでどうしても怒れないとか)、もしくは相手にちゃんと反論してみたけど、怒りがおさまらないとき、またはなんでこんなに怒りっぽいのか原因がわからないようなときにも以下のような方法があります。
ポイントは、とにかく自分の内側に入れてる怒りを外の方向に向って出す、ことです。
1)声で出す
カラオケで大声で歌う、もしくは「あ〜〜」と発生練習のような太い大きな声を出す。
友達に愚痴をいって聞いてもらうのもいいんでしょうが、逆にたしなめられたり、うまく受け取ってもらえなかったりすることもあるし、友達を不快にしてしまうこともあるので、自分の声に乗せて怒りをとにかく外に出すのが無害。声を大きく出して笑うのもいいと思いますし、スポーツ観戦などでウオーッと悔しがったり、オーッ!と喜んだりして大声を出すのも健全に怒りを外に出せる方法と思います。
2)自分の手や足を使ってアクションで外にだす
怒りは攻撃性の一種なので、なにかを投げたり、うったり、ぶったり、蹴ったりすることで内側の怒りを衝撃&アクションとして出します。クッションなど力を入れて打ってもよいものをみつけて、それをぶったり、たたいたりします。サンドバックあると(あるか?)うってつけです。
バッティングセンターでバットをふって、球を打って自分から向こう側に向けて球を飛ばすのも、怒りを健全に外に出す方法です。
3)戦いの要素のあるスポーツをする
上記の2)よりもさらに健全に怒りを外にだせます。一人でやるスポーツよりも相手がいて戦いの要素のあるスポーツの方が外に怒りをだせます。スポーツのルールにのっとって怒りという攻撃性を外に思い切り出します。スポーツをしてると声も自然に出るし、手や足も使うので上記の1)と2)の方法を同時に使えます。
ラケットを使うスポーツならバシッと打って球を相手に送るときに怒りも一緒に外に出せますし、野球なんかだとボールを投げるとき、そしてバットで打つときも外に向って怒りをだせます。サッカーならヘディングとかキックで、陸上などでも競争をすることで怒りという攻撃性はだせますし、剣道やら柔道なら戦いそのものなのでもっと出せるだろうと思います。
他にも、怒りを文章で書いてその紙を燃やすとか、いろんな方法が考えられると思いますが、外に向って出せる流れがあるものが早くて効果的かもしれません。
うちのダンナさんをみてると、薪を割るときに、健全な怒りの出し方をやってると思います。言葉にならないような短い叫び声をだしながら、斧に力をこめて思い切り振り下ろす、薪がぱかっとまっぷたつに割れる、怒り溜めてたんかな…(怖)
私はテニスをするので、そこで思い切り攻撃性=怒りをだしてます。実際の勝負の勝ち負け関係なく、思いきりラケットを振ってボールを向こうに打ち返すことでかなりすっきりします。
テニスをする暇がないときは、1)に書いた声を出すことを時々します。家事をしながら、ふと、イライラしてる自分に気がついたら、あーー、あーーと低い太い声をだします。これ、なぜか高い声でなく低い声の方が効果があります。
家族はこの私の謎の発声練習に眉をひそめてますが、自分の怒りは自分で解消、という感じで、コンパクトに?処理できます。
こうやって、怒りのモヤモヤを外にだした後に改めて、相手の行為を理解したり、思いやったりして、怒った出来事をやっと受け入れられるような気がします。
怒った出来事を1つの経験として受け入れることができたら、それは人生での学びとなり、遠い将来には笑い話になったりもします。
怒ることは、人間のもつ感情の1つで、自然にわきおこるものだから、避けることはできません。でもいつまでも持ってる必要もないものです。だから、それを掃除する方法を知っているとより生きやすいと思います。
*怒りを持つのは何故かについてヒントとなるかもです → こちらの記事*
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過去に抱えた怒りがあまりにも大きくて、一人で掃除することができそうにない方。ホメオパシー療法が助けになるかもしれません。詳しくはHPの方へどぞ:https://arnicahomeo.wordpress.com