タイトルの「愛するものに厳しすぎる」という言葉は、
先日観た映画の中のセリフでした。
(”Love and other impossible poursuit” 邦題 ”水曜日のエミリア” 日本公開は2011年)
このセリフの言語が気になったので、何度も再生して聞き取ってみると
It’s the people who you love you’re hardest on. のようでした。
直訳すると、あなたが一番きつくあたるのは、あなたが愛している人々ですね、
になるでしょうか。
映画のストーリーは、ナタリーポートマン演じる新米弁護士が、
就職した事務所で出会った既婚で息子がいる上司と恋愛関係になり、
彼の子供を妊娠したのがきっかけで、既婚だった上司が離婚を選び、
彼女が彼の新しい妻になるという恋愛話です。
ただの恋愛映画でないのは、彼女は念願の彼との子を出産するのですが、
その赤ん坊が生後3日でSIDS(乳幼児突然死症候群)で亡くなってしまい、
そこから彼女がもがいていく過程がメインだからです。
タイトルのセリフは、彼女が赤ちゃんを亡くしてから、うまくいかなくなってしまった彼(上司)との関係をやりなおそうと二人で話し合いをしているときに、彼から言われた言葉です。
このセリフのあとに、
彼はもう彼女との関係をつづけることは無理だと言い渡し、別れとなります。
私はアメリカ映画というのは全般的にあんまり好きではなくて、それは心理描写が嘘くさいというか全然心に響かないからなんですが、軽い気持ちでみたこの映画は意外に真にせまったものがありました。
ナタリーポートマン演じるヒロインは、赤ちゃんを亡くした後、自分の心の痛みだけにフォーカスして生きてます。
自分だけがつらい大変な思いをしてると思い込んで、周りの親しい人に接しています。
彼女の親友にも彼女より少し前に流産したエピソードがでてくるのですが、その親友が赤ちゃんをなくした彼女を優しくなぐさめようとしても、
流産と生誕後に死ぬのはわけが違う、一緒にしないで!
というようなことをその友人に言ってしまいます。
可愛い赤ちゃんを失くした悲しみは、上司である彼女の旦那さんだって父親としてショックなのに、自分一人だけがつらい思いをしてると思い込んでます。
まあ、つまり自己中心的な感情の中で日々生きてるわけです。
でも彼女の心理状態というのは、よくあるものだと思います。
なにかで悩んで苦しんでいる人というのは大概こういう思考です。
自分だけがつらい、自分の世界だけでしかものをみてない状態です。
私もこの状態に陥っていた時期があり、そのときはこういう思考でしたし、今でもこういう思考になりそうなときはあります。
自分だけがひどい目にあっていると思い込んでいるから、つらくなる。
自分だけが苦しいと思っていて、誰もわかってくれない、孤独だと思ってるから、それが「悩み」になる。
もし、楽しそうにしている周りの人々も深刻に悩んでいることがあると知ったら、かなり気が楽になるのではないでしょうか。
つらさの度合いを他人と比較するということではなくて、
自分だけが苦しみもがいてるという悲しさどっぷりの小さな世界のフタを開いて、
具体的に何もしてくれなくても、人が苦しんでるのを聞くと心を痛めてくれる人の優しさや、
手を差し伸べてくれなくても、ただ優しい視線を送ってくれる人の暖かさに気づけたら、自分の悩みは軽くなるのではないでしょうか。
また悩んでるあなた自身も、
自分より苦しんでるひとがいたら、
私もですよ、とか、なんとか励ましてあげよう、寄り添ってあげようって思う自分の暖かさや優しさをも思い出したら、意外と自分は強いって思えるかもしれません。
そう思えたら、自分の悩みは思ったよりも軽いものかも、と思えて、
もしかしてなんとかできるかも、と思えてきて、
そしたら、じゃ、なんとかしようって先に進めるのではないでしょうか。
自分がつらいときに、愛する者に厳しく対応するのは、その愛する人たちが自分のつらさをわかってくれてないと思っているからでしょう。
厳しくしてつらくあたることで、自分のもつ苦しみを共有してほしくて、そこから救ってほしい、と実は願っているんですよね。
もっともっと、このつらさをわかってよ = だから、もっともっと私のことを愛してよ、という言葉の裏返しだと思います。
それに気がついたら
ストレートに、助けて、つらいよ、と弱さをみせるのもいいですよね。
マザー • テレサの言葉から
If you judge people, you have no time to love them.
私を助けてくれないと批判ばかりしてたら、愛する人を愛する時間がなくなりますよ(私の意訳)。
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自分の愛する人々とうまくいかなくて、つらい方。ホメオパシー療法が助けになるかもしれません。
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