昨日は地域の「とんど」焼きでした。
私が育った地域ではこの行事はなく、また長く住んだ東京でもお目にかかったことがなかったため(あれだけ家が密集してたら無理)、とんど焼きという行事を全く知りませんでした。
しかし調べてみると「とんど」は、田のある地域ならあちこちであるらしいです。
呼び名は、とんどだったり、どんとだったり、どんどだったりと地域によって違うみたいですけど、
姫路では「とんど」のようです。
「とんど」とは稲を刈り取った田に竹や木などを組んで火をつけ、お正月飾りや門松を焼いて神様を送る行事だそうです。近辺の田んぼのある地区では、伝統通り田んぼに高々と竹や木が組んでありますが、私の今住んでいる地区ではもう田んぼがないため、広い空き地に川掃除で集めた木々や、竹などをつみあげています。高さおよそ10メートル。
こんな感じ↓
これに点火して豪快に燃やしている中に、それぞれの家の正月飾りや門松、書き初めなどをくべます。
書き初めを燃やして天高く舞っていくと字がうまくなるんだとか。
火事も気にしないでこんな豪快な火がたけるなんて、圧巻です。
集まった子ども達は大フィーバー(死語?)。まわりが山なのでその辺りの枝を持ってきて、その枝に火をつけたり、いわゆる火遊びしまくり(笑)。こういう豪快なものをみていると、大人だってテンションあがります。
竹が入っているので、燃えて行く途中でバチバチと爆竹のような音がするのも迫力があって爽快。
火というのは不思議なもので、火の前にいると自分の中にあるもやもやまで焼かれていくようです。そういう観点でみると、この行事は神様を送るだけでなく、人の中にたまったストレスも昇華させる副次的な作用もあるのかもしれません。煙にも恐らく浄化の作用があるのでは、と思います。
大きな火が落ち着いて炭となったら、その炭で鏡餅などを焼いて食べます。
地域によってはお餅をあぶるだけで、その後は自宅に持ち帰って食べる、というのでこの行事がフィニッシュらしいのですが、私の地区では、「とんど」でできた炭を使ってその場で、お餅を焼いたり、するめをあぶったり、野菜や肉を焼いたりして近所の人が一杯飲んだり、食べたりします。なんというか冬のバーベキュー?!
昨日は午前中雪でしたけど、大きな残り火があるので、外でもそんなに寒くなかったです。
お昼から炭であぶったものを食べてお酒のんで、近所の人や家族と話します。
火や炭を囲んで、ぼちぼちとでてくる話をして、最期のお正月気分を味わいます。
お正月ってこんなに長く味わえるものだったんですね。スローライフな年の始まりでした。